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ハイグリップ・メタルバンドとは?
【概要】コンクリート構造物のひび割れを低減化

社会インフラを担うコンクリート構造物は、長寿命化の実現に向けて、維持や修復のコストを抑えつつ耐久性を向上させることが重要課題となっています。

その課題を解決する目的で開発されたハイグリップ・メタルバンドは、コンクリートのひび割れを抑制する鋼板製の補強材料。幅130mm、厚さ0.6mmの溶融亜鉛メッキ鋼板に、Φ40mmの円孔を3列千鳥配置に施し、コンクリート構造物に設置することで高いびび割れ低減効果が期待できます。

物流施設・工場床などコンクリート構造物の乾燥収縮によるひび割対策、山岳トンネル覆工コンクリートのにおいてインバート拘束クラック対策、などとして利用されています。

▲ハイグリップ・メタルバンド

▲履工コンクリート(有筋箇所)への設置実例

なお、本技術はNETIS登録済み(KT-170094-VE)、特許取得済み(特許第6267495号)です。

【導入メリット】高いひび割れ抑制効果×優れた施工性・経済性
  • コンクリートの配合を変えずに、ひび割れ対策を施すことが可能
  • 鋼板に施した円孔の拘束力によってコンクリートとの一体化を確保し、引張強度が向上
  • より大きな引張応力に対しては、靭性の向上、ひび割れの分散、ひび割れ幅の抑制が期待できる
  • コンクリート単位面積当たりに使用するひび割れ対策コストを抑え、優れた経済性を発揮
  • 軽量(260g/m)でありながら適度な剛性を兼ね備えているため、コンクリート打設時の押出しや変形などの影響が少なく、結束箇所の削減(固定作業の軽減)につながる
【ハイグリップ・メタルバンドの試験結果】乾燥収縮時の引張応力に抵抗
■ひび割れ幅の変化

コンクリートの乾燥収縮時の変形を拘束し、強制的にひび割れを発生させる試験においては、ハイグリップ・メタルバンドの設置によりひび割れの発生時期が遅れ、ひび割れ幅も小さくなる結果が得られました。

▲ひずみ幅の経時変化

▲ひび割れ幅の経時変化

▲乾燥収縮ひび割れ試験状況

■割裂引張試験状況

本材料を設置した試験体の割裂引張強度試験によりますと、引張強度が29%増加しています。これにより乾燥収縮による引張応力に抵抗します。

▲割裂引張試験状況

▲左棒グラフが「HGMBなし」、右棒グラフが「HGMBあり」

【施工方法】ハイグリップ・メタルバンドの取り付け方

「ハイグリップ・メタルバンド」を鉄筋等に結束してコンクリート打設時に使用することで、効率的かつ簡単にひび割れを抑制できます。

▲物流倉庫床使用例

  • 「ハイグリップ・メタルバンド」を鉄筋等に結束する際には、必ずたるみが生じないように注意してください。
  • 「ハイグリップ・メタルバンド」を重ねる部分は、13cm相当の幅を確保し、対角に2カ所以上結束してください。
  • 特に開口部周辺などでは、できるかぎり設置する間隔を短くして補強するようにしてください。
【設置・導入例】トンネル履工や風力発電基礎など多彩

ハイグリップ・メタルバンドの設置は、覆工コンクリートの鉄筋に直接、結束線で取り付けます。無筋区間の場合は支持部材を設置して取り付けます。軽量(260g/m)で適度な剛性を有しているため、取り付けが容易です。

風力発電基礎への適用例

構造物への適用例

柱まわりへの適用例

梁上への適用例

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